投資の知識

従業員持株会はお得な制度なの?メリットとデメリットについて

この間会社から持株会に入りませんか?という案内がきていたけど、
どういう制度なんだろう。福利厚生の一つ、とは言われているけど、
会社の株を買わされるなんて、ちょっと怪しいなあ。
実際、持株会ってどうなんでしょうか。

はい、今日はその疑問に回答して行きます。

従業員持株会とは?

多くの上場企業で導入されている制度で、「福利厚生制度」の一つとして位置付けられています。持株会に入会することで、毎月一定の金額で自分の会社の株を購入します。
また、購入した株は、100株以上で売ることもできますし、そのまま保有することもできます。
会社によっては、入社時のタイミングで(新卒、中途ともに)説明会を開催して入会を案内する場合もあります。

従業員持株会に入会するメリットとデメリットは?

では次に、実際どのようなメリットとデメリットがあるか紹介して行きます。

私自身は、複数社で持株会への入会経験があり、損するどころかかなり利益がでたので、
従業員持株会制度への入会は強くお勧めします。

・1000円から手軽に始められる
・給与天引きで積み立てることができる
・会社から奨励金が出る
・ドルコスト平均法のメリットが活かせる
・中長期的な資産形成になる

先日、優しい株式投資の始め方でも紹介しましたが、多くの上場会社の株を購入しようと思うと、10万〜30万円ほどかかります。
高い会社ですと40万、50万円近くする会社もあります。
つまり個人で買おうと思うと、100株単位のみになるのでまとまったお金が必要になります。

でも、従業員持株会の場合は、持株会会員全員のお金で株を購入し、それぞれの天引き額に応じて株を分配するので、例えば3株や、10株ずつ毎月購入することになります。(投資信託 に近い制度ですね。

また、持株会の一番の目玉が、【奨励金】です。
会社によって異なりますが、だいたい5%〜10%のところが多いです。
(中には100%の会社もあります。うらやましいですね。。)
この奨励金は何かというと、自分の積立額に応じて、会社からでる補助金です

例えば、奨励金10%の会社で、毎月1万円の積立をする場合、

10,000円 x 10% =1,000円 になりますので、会社からの奨励金(補助金)は毎月1,000円です。
ですので、実際持株会を通じて株を購入する場合は、

10,000円(自分の積立分)+1,000円(会社からの補助)=11,000円 分購入することになります。
つまり、自分では1万円しか出していないけど、11,000円分の株が買える ということです。

株価を10%OFF で買うことができる、
あるいは株価が10%下がっても 損はない と考えることもできます。

こう考えると、かなりお得な制度ですよね。
株価は日々変動しますが、多少下がっても自分は損をしていない、と思えることで安心して積み立てることができます。

次にドルコスト平均法。こちらについては、今度別記事で詳しく解説しますが、
簡単にいうと

ドルコスト平均法とは

毎月定額で買うことで、

株価が高い時は多く買えないけど、株価が安いときに多く買うことができる
そのため、トータルの期間(中長期)で見ると、購入単価が低くなりやすい 
ということです。

毎月定額で買うことで、

安いときに沢山仕入れることができるので、1株あたりの購入単価が下がる=株価が上がったときの利益が増える ということになります。

もちろん、持株会にもデメリットはあります。

デメリット
・株価は常に変動するので、損をすることもある
・会社によっては、売却する際に事前の申請が必要。
・社内申請が必要な手続きが多いため、時間がかかることがある。

持株会は、奨励金が会社から出る分、損はしにくいです。
ただし、株価は日々変動しますので、絶対損をしません というわけではありません。

もしかしたら業績の悪化で一気に株価が下がる可能性もあります。
持株会というよりは、株式投資におけるデメリット に近いかもしれませんね。
(損をするリスクがあるということ)

次のデメリットとして、手続きの機動性が落ちます。

例えば、来月からもっと積立額を増やしたい、100株になったから売りたい、と思っても、手続きは社内申請を通じて行う必要があるため、時間がかかりがちです。
(会社によっては月1回しか申請を受け付けないなど)

ですので、もし変更したい、株を売りたいなどと思っている場合は、事前に社内申請のスケジュールについて調べておくことをお勧めします。

持株会への入会がオススメできない会社

ただし、以下のような条件の場合は、持株会のメリットが少なくなるので、入会はよく検討した方がいいです。

・会社の業績が良くない(赤字が続いている)
・株価が右肩下がり(ずっと下がっている)
・奨励金がない

まず会社の業績が良くない。

この場合は業績が回復しない限り株価も下がりやすくなります。
もちろん、創業間もないベンチャー企業の場合は、いまは初期投資で今後伸びていくがあるので
一概には言えませんが、
やはり業績が赤字=将来もダメそう=人気がない=株価が下がる という流れになる傾向があります。

そして、株価がずっと下がっている企業。

確かに、持株会では安いときには多めに買うことができるので、取得単価が下がる、というメリットはありますが、
いくら取得単価を下げてもそれ以上の「ペースで株価が下がるようでは話になりません。

あくまでも、中長期的に株価が上がる前提で安いうちにたくさん買うことで、将来株価が上がったときに得られる利益が多くなるという仕組みです。

ただ、株価も一時的に下げている場合もありますし、会社の業績が良くなることで株価が上昇することもあります。
ですので、株価が右肩下がり&業績もよくない、という場合は、積極的な入会はお勧めしません。

そして最後に、奨励金がない場合。
これは持株会に入るメリットが極端に減ります。

奨励金があることで、株価が下がっても損が出にくい、あるいは割引価格で買える、といったメリットが無くなり、毎月少額で自分の会社の株を買える、ドルコスト平均法で取得単価が低くなりやすいぐらいしかメリットがありません。

とりあえず自分の会社の株主になってみたい、という方以外はあまりお勧めできません。

私は持株会に入会するメリットは、やはり奨励金によって株化の変動リスクを会社が奨励金の分だけ担保してくれることだと思っているので、もし奨励金がない場合は積極的に入会は検討しなくてもよいと思っています。

まとめ

持株会についてメリット・デメリットをまとめてみましたがいかがでしょうか。

株式投資を始める場合、いきなり個別銘柄を買おうと思うと、10万〜30万のまとまった資金が必要になります。
ですが、自社に持株会という制度があれば、毎月1,000円〜と少額で始めることができます。

また、会社から奨励金が出る場合は、多少株価が下がっても損は担保されるので、初めて株式投資で、個別銘柄を買う人にはオススメの制度です。

毎月少額からコツコツと、しかもある程度の損は会社が担保してくれる という非常にお得な制度ですので、投資を検討している方は、ぜひ持株会に入会してみましょう。
(ただし、先程のオススメしない場合は入会メリットが少ないので良く検討する必要があるがあります。)

それでは今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。

もこログ

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