株式投資・資産運用

JT株の増配・減配可能性について〜株主構成から考えてみた〜

こんにちは、もころぐ(@mokorion1)です。

今日は高配当銘柄で知られるJT株の配当について、増配あるいは減配の可能性について
現役IR担当として考察してみました。

高配当投資の投資先として有力なのがJT(日本たばこ産業株式会社)

2019年度の年間配当金は154円を予定しており、
2003年から16期連続で増配しています。

長期投資を考える上で欠かせないのが企業からの配当金ですよね。
配当がもらえるのであれば多少株価が下がっても保有し続けようと思えますし、
配当金を再投資に回すこともできます。
もちろん、投資を続けようというモチベーションの維持にもなります。

その一方でJT株はここ3年に渡り株価下落が続いています。

2016年2月の4,850円をピークに下落が続いています。
今年の8月に入ってからは連日年初来安値を更新しています。

このまま配当目当てでJT株を保有し続けて大丈夫なのだろうか。
新規に配当狙いでJT株を買いたいが、減配はないのだろうか

今回は高配当銘柄で個人投資家から人気のJT株の今後の増配・減配可能性について考察していきます。



なぜJT株は高配当銘柄で人気なのか

理由は以下の通りです。

・高い配当利回り(5〜7%)
・16期連続増配という実績
・株主優待が充実
・JTという企業の知名度

実際、JTの配当金は1万円を超えるためかなり高い部類です。
また、個人投資家は高配当や株主優待の充実を非常に好む傾向がありますので、
知名度と相まってJTは人気なのでしょう。

JT株の2014年度からの配当推移

JTコーポレートサイトより引用:https://www.jti.co.jp/investors/library/annualreport/highlights/2018/business_plan/index.html

2019年の配当予想は1株あたり154円。
100株保有していれば、年間15,400円も配当金がもらえます。
(実際は住民税などの税金が20.315%ひかれるので受取額は減ります。NISAであれば税金がかかりません。)

また、16期連続増配ということもあり、JT株に対する増配期待も非常に高いです。
そのため、JT株は長期投資や配当メインで投資をしている個人投資家から人気が高い銘柄なのです。

今後もJT株は増配できるのか

そもそも、配当金とはどのように決まるのでしょうか

大多数の会社では、年に1回開催される株主総会で配当金額が決定され、株主総会の翌日に、株主に対して支払われます。
株主総会では1株あたりの配当金がいくらで、トータルいくらの配当金を支払いますがよろしいですか?という判断を株主に決めてもらいます。

ここで重要となるのが、トータルいくらの配当金を支払うかという点です。
企業は会社法に従って運営する必要があります。
そのため、株主に対して支払う配当金についても会社法に従う必要があります。

会社法461条では、会社が配当金を支払う際は分配可能額の範囲内で支払うことが定められています。(計算式が複雑なため、当期純利益の中から配当金の支払額が決定されるとして考察します。)

もちろん、当期純利益は配当金支払いの他に、投資や内部留保にも回されます。

JTの場合は配当性向が6割〜7割で推移しているので、
当期純利益のうち6〜7割が配当支払いに、残りの2〜3割が内部留保と投資に使われていることになります。

では大元となる当期純利益の推移はどうでしょうか。

JT株の当期純利益の推移

JTコーポレートサイトより引用:https://www.jti.co.jp/investors/individual/finance/index.html

2014年度からの推移を見ると2016年度をピークにやや右肩下りで推移しているのがわかります。

つまり、配当の原資となる当期純利益が右肩下り、あるいはヨコヨコ=原資が増えない
ということなので、よっぽどJTが株主還元のために内部留保と投資を減らします!という方針にでない限りは、今後は増配継続の可能性は低いと思われます。

ただ、増配が続けられないとなると株主からの反発もあると考えられますので
今後は配当性向6〜7割を維持して配当を続けていく、という可能性が高いと思われます。

減配の可能性はあるのか

結論から言うと、減配の可能性はないと思います。



理由としては、JTの大株主に財務大臣がいるからです。

JTの上位10名の大株主を確認してみる

JTコーポレートサイトより引用:https://www.jti.co.jp/investors/stock/meeting/pdf/invite20190227_J.pdf

大株主1位はなんと財務大臣です。
保有株数は6億6,692万株保有しています!
桁違いですね。。

2018年のJTの配当金は1株あたり150円なので
単純計算で年間100,038,930,000円。

つまり財務大臣は配当金だけでJTから年間1,000億円を受け取っていることになります。

JTが配当を続ける限り、国としては1,000億円近くの配当金が得られるわけです。
国側としては、万が一減配にでもなればこの収入がなくなるわけですから、一大事ですね。

そしてもう一つ注目すべき点が、財務大臣が保有している議決権個数です。

議決権とは、株主総会で会社からの提案に対し、賛成、反対を投じるための権利です。(選挙みたいな感じですね)

100株につき1個の議決権がありますので、例えば1,000株保有していれば10個の議決権を持つことができます。
配当金の支払いは株主総会で承認される必要があり、簡単に言うと半分以上の賛成票を集める必要があります。(もっと細かい定めがありますが、ここでは省略します。)

財務大臣が持っている議決権の割合はどれくらいか

今年の招集通知P46を確認すると、財務大臣は全体の議決権のうち、37.23% 保有しています。

少なくとも全議決権のうち1/3以上は保有しているので、JTに対して相当影響力を持っていることがわかります。
もしJTが配当金の支払額を減らすような提案を株主総会ですれば、財務大臣側から反対票37.23%を突きつけられる可能性があります。

配当金の支払い自体は半分の賛成があれば可能ですが、
配当金に関しては株主総会では賛成率90%以上で承認される内容です。

そのため、賛成されて当たり前の提案に対してたった6割しか賛成がもらえない、という状況は、
企業、特に社長や役員からするとどうしても避けたいことなのです。
(逆に賛成率が低いとそれだけでニュースに取り上げられます。

最近ですと野村證券の社長の専任議案の賛成率が、昨年は90%近くあったのに
今年は60%近くまで下がったため、かなり新聞に取り上げられていましたね。

つまり、賛成率を大幅に変化させることができる財務大臣の影響力を考えると、
そうやすやすと減配できないのでは、と予想することができます。

結論:JT株の増配・減配の可能性について

株主構成から考えると、JT株の今後の増配・減配の可能性としては、

結論まとめ

・当期純利益が伸びていないので、増配は難しい。
・株主からの反発を抑えるために配当性向は維持。
・議決権の1/3を財務大臣に保有されているので、減配の可能性は低い

です。

もこログとしては、JT株はチャートを見る限りまだ下落傾向は続くと思いますが、
配当が減配になる可能性は低いので、配当狙いであればJT株を保有しても良いのでは?と思っています。

それでは今日はここまで。

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