株式投資・資産運用

【真面目に考察】ESG投資とは?今後の動向と日本市場に与える影響について

もころぐ
もころぐ
こんにちは、米国株投資にハマっているもころぐ(@mokorion1)です。今日はよく耳にするESG投資について真面目に考察してみました。
ぴよこ
ぴよこ
最近確かによく聞くかも。そもそもESGってなんの略?

ESG=環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの頭文字をとったものです。

ESG投資=環境や社会、企業統治に配慮して行う投資 と言うことになります。

★環境への配慮
地球温高対策/二酸化炭素の排出量/再生可能エネルギーの利用

★社会への配慮
女性の活躍推進/安全衛生的な労働環境の確保

★企業統治への配慮
取締役会の構成/役員報酬/企業倫理

などに対して、

企業側がきちんとリスクを認識し、このリスクを低減させるために取り組んでいるかを重視・選別して投資するのがESG投資と言えます。

ESG投資が注目されている理由は?

元々は1920年ごろにアメリカで始まったと言われていますが、一気に広がりを見せたのは2006年以降です。

2006年に国連が機関投資家に対して、ESGを投資プロセスに組み入れる【PRI:責任投資原則】を提唱したことによりPRIの署名機関が発足しました。

責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)では、
「環境、社会、ガバナンス課題と投資の関係性を理解し、署名機関がこれらの課題を投資の意思決定や株主としての行動に組み込む際に支援を提供すること」を求めています。

Responsible investment is an approach to managing assets that sees investors include environmental, social and governance (ESG) factors in:

– their decisions about what to invest in;

– the role they play as owners and creditors.

It aims to combine better risk management with improved portfolio returns, and to reflect investor and beneficiary values in an investment strategy. It complements traditional financial analysis and portfolio construction techniques.

引用:PRIの責任投資原則より

 

発足した2006年の署名数はわずか63、翌年2007年は185の投資家しか署名しませんでしたが、2008年にリーマンショックが起ると自体は一変します。

資本市場での短期的な利益追求に対する批判が高まり、長期的、社会貢献の観点での投資が求められるようになりました。

その結果、責任投資原則(PRI)に署名する投資家が増加しました。

(左の縦軸は署名投資家数(単位:署名数)、右の縦軸は署名投資家の運用総額(単位:兆ドル)

出所:PRI資料より当サイトにて作成

主に欧米の投資家や企業が中心に署名していますが、日本の年金基金運用機構 GPIFも2015年に署名しています。

2018年には2,000を超える投資家が署名し、その運用資産総額は80兆ドルを超えました。

つまり、投資判断の際にESG情報を重視する投資家が急激に増加していると言えます。

なぜESG投資が行われるのか?

ESG投資が行われる理由は、大きく分けて2つあります。

機関投資家が運用資金を集めるため

機関投資家は資産を運用するために資金を集める必要があります。

機関投資家への資金提供者として対象となるのが、公的年金や企業年金、最近だと教職員などの年金基金や大学基金があります。

これらの資金提供者は、大多数が PRI(責任投資原則)に署名しているため、資金の提供先に対してもESG投資を求めます。

そのため、機関投資家はESGに配慮した企業へ投資をすることで、 PRIに署名した年金基金などから資金を長期的な運用資金を調達することができます。

投資先企業のリスクを管理するため

ESG投資を行うことは、投資先企業へのリスク管理にもつながります。

環境、社会、企業統治それぞれの側面から企業を評価することで、投資先企業の企業価値を毀損するリスクを管理することが可能となります。

直近の例だと日産自動車は企業統治 と言う面では非常にリスクが高かったと言えます。

社長に権限が集中しすぎた結果、会社の経営を監督するはずの取締役会、またそれを監査する監査役会が機能していませんでした。

その結果、不祥事につながり、株価は暴落し企業価値が大きく毀損されてしまいました。

まとめ:ESG投資を行う2つの理由

つまり、機関投資家がESG投資を行う理由は以下の理由からです。

●年金基金などから運用資金を調達するため
●投資先企業のリスクを管理するため

ESG投資の7つの手法


ESG投資には7種類の投資手法があります。

一番イメージしやすく有名なのは、ネガティブスクリーニングと呼ばれる手法です。

タバコやアルコール、武器など倫理的でない特定セクターの企業を投資先から外す投資手法です。

以下、順にESGの投資手法を紹介していきます。
参照先:サスティナビリティ・ESG投資ニュースサイトより

1.ネガティブスクリーンニング型

1920年代に米国で始まった最もと古いESG投資の手法です。

発祥はキリスト教系財団からと言われています。

武器、ギャンブル、タバコ、アルコール、原子力発電など倫理的でないと定義される特定セクターの企業を、投資先から除外する手法です。

2.ポジティブスクリーニング型

1990年代に始まった手法で、業種のなかでESG関連の評価が最も高い企業に投資する方法です。

一方で各業種の中で最もESG関連評価が優れた企業を投資対象に選ぶことになります。

そのため投資先の候補が少なく、偏りがちになるデメリットがあります。

3.規範に基づくネガティブスクリーニング

2000年代に北欧で始まった比較的新しい手法です。

ESG分野での国際基準に照らし合わせて、その基準をクリアしていない企業を投資先リストから除外していく投資方法です。

ポジティブスクリーニング型と比べると投資対象となる企業が増えるので、最近よく採用されている投資手法です。

4.ESGインテグレーション型

投資先選定の過程で、非財務情報も含めて分析し投資を決定する方法です。

特に年金基金など長期投資を好む資金を運用するファンドなどがとる手法です。

投資先企業の将来の事業リスクや競争力などを把握するために積極的に非財務情報を活用して投資先を選定する際に用いられます。

5.エンゲージメント・議決権行使型

株主として、企業に対してESGに関する案件に積極的に働きかける投資手法です。

Elliot(エリオット)やThird Point(サードポイント)などのようなアクティビストが主に用いる手法です。

ESGと言う観点から、気候変動関連に関する開示情報の拡充(TCFD)を求めたり、役員報酬、取締役の多様性に絡めて株主提案をすることがあります。

6.サステナビリティテーマ投資型

サステナビリティをメインとする投資手法です。

再生可能エネルギーや地蔵可能な農業、太陽光発電事業への投資などがメインとなります。

最近ではグリーンボンドなども発行されており、個人投資家からも資金調達を行っています。

7.インパクト投資

社会・環境に貢献する技術やサービスを提供する企業に対して行う投資手法です。

比較的小規模の非上場企業への投資が多く、個人投資家から資金調達を募ることもあります。

近年のESG投資の動向について


ESG投資をする際は7種類の方法がありますが、最もよく利用されているのが

1. ネガティブスクリーニング型です。

ぴよこ
ぴよこ
確かに、ESG投資=タバコとかアルコール企業には投資しませんってイメージがあるね。

ちなみに多い手法TOP3は

です。

グラフ引用先:サスティナビリティ・ESG投資ニュースサイトより

ESG投資と日本市場への影響

ぴよこ
ぴよこ
ESG投資って活発になってきてるんだね。日本にはどんな影響があるの?
もころぐ
もころぐ
実をいうと、日本はまだそこまで厳しくは求められていないんだよ。

ESG投資を行う機関投資家の多くがPRIに署名していますが、大多数は欧米の投資家や企業が中心です。

そのためESG投資の主戦場は欧米であることが多く、日本やアジアまでは手が回っていないという状態です。

ただ全く求められていないというわけではなく、ESGのうち、【G】つまりガバナンスが日本に対しては求められています。

具体的には、取締役会の構成について、社外取締役を入れるよう求められています。

従来の日本では取締役=サラリーマンからの叩き上げが多く、社内から昇進して取締役になるケースがほとんどでした。

つまり日本企業は、

取締役の大多数が社内出身=会社を運営する際に外部の目が無い=不正が起こりやすい

と機関投資家から判断されやすいリスクがあります。

実際、去年からは取締役の構成人数のうち、1/3以上は社外取締役であることが国際機関から求められました。

それを受けて多くの日本企業が社外取締役を確保し、新たに取締役として選任しました。

ぴよこ
ぴよこ
日本でもすでに対応が求められていたんだね。知らなかったよ。

グローバルでみたESG投資の今後について

ぴよこ
ぴよこ
日本でも今後ESG投資が活発になるのはわかったけど、世界的にはどうなの?もっと活発になるのかな?
もころぐ
もころぐ
うん、今後ますます活発というかESG投資が占める割合は高くなると思うよ。

世界的な流れとしても、今後ますますESG投資が世界に占める割合は高まっていくと予想されます。

2006年に国連が発表した責任投資原則(PRI)ですが、この責任投資原則(PRI)への署名要件の厳格化が2018年に発表されました。

以前は、署名した後は国連が求めるESG投資の要件を満たしているかどうかの確認・追跡調査はありませんでした。

しかし2018年にPRIの署名要件が厳格化されたことにより、国連が求める3つの要件を2020年までに満たせなければ責任投資原則(PRI)から除名されることになります。

以下が国連が求める3つの要件です。

1)運用試算額の50%を超える運用をカバーする責任投資ポリシーの設定
(要するに運用資産の50%はESG関連である必要がある)

2)ESG投資を実現するための明確な責任を負う内部スタッフ、外部スタッフの確保

3)ESG投資を実現するための説明責任メカニズムとシニアレベルの監督の設置

ぴよこ
ぴよこ
あらら。具体的な数値まで盛り込間れているんだね。

特に注目すべきは、運用資産の50%がESG関連である必要が設定されたことです。

つまり、責任投資原則(PRI)に署名した投資家や企業は、2020年までに運用資産の50%をESG関連にしないと、責任投資原則(PRI)から除名されることになります。

ぴよこ
ぴよこ
・・・除名されるとどうなるの?
もころぐ
もころぐ
投資家として、ESGと投資の重要性を理解していない、重要視しないとみなされるから資金集めがしにくくなるんだよ。

責任投資原則(PRI)からの除名により最も影響を受けるのは機関投資家です。

なぜなら年金基金などESGを重視する期間からの資金が集めにくくなるからです。

長期運用資金を集められない=ファンドの運用資金が減少

することになるので、機関投資家としては除名はなんとしても避けたいところです。

そのため、今後ますますESG関連の投資が増加していくことが予想されます。

今後増加していくESG投資の手法とは?

ぴよこ
ぴよこ
なるほど。今後ESG投資は増加していくんだね。やっぱりネガティブスクリーニング型がメインになるのかな?

ESG投資ではまだまだネガティブスクリーニング型が主流ですが、

今後は企業側の情報開示を積極的に評価していくESGインテグレーション型が第2の主流になると思われます。

つまり今後企業に求められるのは、

●マネジメントがいかに自社のリスクを把握できているか
●そのリスクに向き合っていくか
●リスクへの対応を説明し、開示する能力があるか

の3つになります。

きちんと情報開示ができればESG投資の対象先として長期的に投資してもらうことができます。

一方で開示が不十分であれば、ESG投資の対象から外れる可能性が高くなるので、長期的には株価が下落する要因になると言えるでしょう。

ですので個人で投資をする際は、その企業がどこまで非財務情報の開示に積極的かに注目することで、長期投資対象となる企業が見つけやすくなると思います。

ESG投資で見られる非財務情報

●気候変動が事業に与える影響
●コーポレートガバナンスの状況
●役員報酬に関する決定プロセスと報酬額
●人材の多様性 など

もころぐ
もころぐ
ちなみに非財務情報は、アニュアルレポートや統合報告書から確認できるので、ぜひチェックしてみてね。

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